冷間鍛造の基本
冷間鍛造による加工におけるメリットについて紹介をします。冷間鍛造という加工方法は、いわゆる塑性加工と呼ばれる加工方法の一つで、刀鍛冶等でみられるような熱間鍛造と対となる加工方法と言えます。(中間の温度領域の温感鍛造という加工方法もありますが。)
冷間鍛造の具体的な加工方法は、常温下においてパンチとダイという(上型、下型とも言う)金型で材料を挟み込み、変形させるという手順となります。複雑な形状となればなるほど、変形させる為に複数回行うことがあります。また、製品形状は金型の形状に左右される為、金型が製作できない形状の形状加工はできないということになります。
冷間鍛造のメリット
ここまでは、冷間鍛造の基本についてお伝えしましたが、本題の冷間鍛造のメリットについて触れたいと思います。冷間鍛造を使用するメリットとしては、以下の点があげられます。
□ 一つひとつの部品の加工スピードが速く、時間当たりの生産性が高い。
□ 材料費がやすく、部品コストを抑えることができる。
□ 高圧での加工となる為、材質がもつ強度と比較して完成品の強度が向上する。
これらのメリットはバラバラのように見えますが、まとめると、量産品でかつ部品強度が必要な部品の加工には向いているということを意味します。その為、冷間鍛造を行う際の考え方として、既存部品のコスト削減・強度向上を求める為に他の加工方法で行っている製品で量産品の製品は冷間鍛造に置き換えることが有益であると言う事ができます。
冷間鍛造研究所でも同様の問い合わせが多く、これまで切削加工で行っていた、プレス加工で行っていた部品のコストを下げたいのだが、なにか方法はないか?というものがあり、下記には実際に当研究所で提案を行った工法転換事例について紹介をしています。